高校生が意見表明する授業のつくり方

誰でもできる楽しい授業
高校生が意見表明する授業のつくり方

はじめに

高校で週２時間の日本史と現代社会を担当し、誰でも簡単にできる楽しい授業づくりをめざしている。

ビデオ学習の授業をつくる

生きる勇気と知恵がつくビデオ学習で楽しい授業をつくる。質問の答えを視聴プリント記入しながら見る。ビデオの途中で解説したり、クイズに挑戦したりする。その工夫が集中力を高め楽しい授業になる。

班討論の授業をつくる

クラスを６～９班に分けてグループで話し合う。意見表明ができると、生徒が主体的授業に参加する。自分と違う多様な意見や体験を知ることで視野が広がる。

暗記から意見表明へ

授業を「暗記もの」から、意見表明して主権者を育てるものにしたい。
必要なことは次の三つ。第一に、生徒が意見を持てる教材を準備する。第二に、自分の意見を書いたり話し合ったりする時間を授業中に確保する。第三に、その意見をクラス全員で共有できるようにする。
生徒の意見を聞いたり読むことは、教える側も楽しく、次の授業の励みになる。

論述問題をつくる

テストも選択や穴埋めなどの暗記中心から、意見表明する論述問題にする。
論述が初めての生徒も多いので、教科書やプリント・ノートなどの持ち込みを認める。事前にテストのヒントを示す。採点の公平を期すために、答案返却の際には解答例を示し、異議申し立てを受け付ける。ビデオ授業と論述テストが相乗作用を発揮して、意見表明の授業が発展する。

楽しい授業とは

高校生にとって楽しい授業とは何だろう。学期末のアンケートで、高校生が望む授業が見えてくる。授業形態、テストについて次のような意見が出た。

授業形態（ビデオ、班討論）について生徒の意見

1.ビデオなどで学ぶ授業はおもしろみがあり、学びやすい。
2.黒板に書いた字をノートに写して勉強するよりは、その授業形態の方が頭に残る。
3.ビデオ学習ではクラスのみんなが集中して見ていて良いと思いますし、班で話すことも重要だと思います。
4.ビデオはその学習がうまくまとまっていてわかりやすく、班討論は他人の意見も聞けてよかった。
5.班で話し合ったりして学習すればお互いで楽しめながら良い学習ができたり、ビデオではとても印象に残る。
6.新しい知識が入ってきたり、しっかり聞いておく力がついたり、他者の意見も聞けるのでいいと思う。
7.班討論やビデオ学習は、他の人の気づいたことや思ったことが分かるのでいい。
8.班討論の授業で最後にまとめがあると良い。

テスト（論述３問）についての生徒の意見

1.テストでは自分の思ったことがそのまま点数になるので良い。
2.テストは、今まででやったことがないスタイルで楽しくできました。
3.テストは自分の考えをまとめつつ書くので３問でちょうどいい。
4.テストも、ただテスト範囲を覚えるだけでなく、自分で考えることが良いです。
5.テストはその人がどれだけ授業を真面目に受けて、どう表現できるか、はかれる。
6.テストは難しいが文章力がつきそうなのでいい。
7.テストで論述３問は難しいと思う。せめて、あと２問は増やして、１問の配点を減らした方がいいと思う。
8.正直、あのテストの方針は苦手です。時間がもっとほしいと思いました。
9.テスト…点数の基準が良く分からないので点数がとれてるか自分でも分からない。