2012年8月30日木曜日

1. 「自分の意見を持てる」授業を作る7

(キ) 原爆(被害)→アジア侵略(加害)→現代(複雑)へ

1学期最初の授業は、日本史を考える上での原点とも言うべき広島・長崎への原爆投下の問題から入る。広島の被爆者が描いた「原爆の絵」や長崎の被爆者の映像を通して被害の実相をビデオで学ぶ。また、原爆投下の目的・背景などを、問答形式の授業で考える。また、「赤い背中」の写真の少年の被爆体験。そして戦後の核開発競争の問題へ入り、ビキニ事件や原水爆禁止運動、自国民をも人体実験に使ったアメリカの核開発を取り上げる。
ここまで授業をしてから戦争がなかった原始時代に戻る。階級と国・戦争の誕生、各時代の特徴的な民衆の抵抗運動や対外侵略を取り上げる。秀吉の朝鮮侵略や江戸時代の映画(郡上一揆)などのビデオを見せる。
多くの高校生がアルバイトをする夏休み直前には、アルバイトで役に立つ「働くルール」の授業をする。
近代に入って、日本の急速な資本主義化の矛盾とアジア侵略の歴史を追っていく。
現代に入って、戦後日本の変化をアメリカの世界戦略との関連で追っていく。
1年間の授業の流れは、意見を持ちやすいテーマ(日本の被害)から、重いテーマ(日本の加害)へとつないでいく。そして、現代の複雑なテーマ(被害・加害両面を持ち、価値観や生き方が問われる)に取り組む。こうした中で、歴史を立体的に理解し、自分の意見を発展させることができる。

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