アクティブ・ミュージアム「女たちの戦争と平和資料館」(wam)が『フィールドワーク日本軍「慰安婦」』を出版している。その中の「第2章 日本の侵略と日本軍「慰安婦」制度、第3章 被害女性たちの証言と各国の事情」を紹介し、調べ学習に取り組む。
「学び・調べ・考えよう」と呼びかける本のタイトル通り、調べ学習に最適な内容である。
調べ学習プリント「日本軍『慰安婦』」を読んでは、次の内容である。
1. 日本軍が慰安所を作った理由は何か。
①
②
③
④
2. 女性たちはどのようにして「慰安婦」にされたか。
① 日本国内
② 植民地(朝鮮・台湾)
③ 侵略地・占領地(フィリピン・インドネシア・東ティモール・中国)
3. 慰安所にはどのような規定があったか。
4. 慰安所で朝鮮人女性たちは何を強制されたか。
5. 抵抗した人はどうなったか。
6. 被害女性たちの「証言」を読んで感想を書いてください。
日本軍「慰安婦」の調べ学習で生徒たちはどのような意見を持ったのか紹介する。
① 知らなかった、とても恥ずかしい
・ 戦争で男は戦っていたけど女はどうしていたのかあまり知らなかった。慰安婦のように強姦されていたのが初めて知って許せないと思った。
・ 私はプリントを読むまで「慰安婦」という人がいたなんて知らなかったです。読んで知らなかった事がとても恥ずかしかったです。
② 知ることができて良かった
・ このように被害を受けた人にしか語れない話こそ私たちが知っていなければならない。本当はこんな話ししたくもないし、思い出したくもないと思うけど知ることができて良かった。
③ 考えさせてくれたことに感謝
・ たくさんの朝鮮の女性たちがすごく悲惨なことをされたと知ってびっくりしました。証言はほんとに生々しくて、恐ろしい文ばかりでした。でもそれが事実なんだと思ったら、読むことをやめられませんでした。これが昔の日本がしたまぎれもない事実だからきちんと受け止めなくてはいけないと思いました。同じ女性として、自分がこんな目にあったらどうなんだろう、とか辛い目にあったのに逃げずに証言してすごいなあとかたくさん考えさせられました。私だったら絶対自殺してしまうと思いました。なのにそれでも生きて、私たちに事実を伝え、こうやって考えさせてくれたことに感謝します。
④ 伝えていく
・ 私も女だし、証言して下さった方々の苦しみが伝わり、本当に心が痛みました。まずこの時代に「慰安婦」というものが作られていたことに驚きました。お金のための日本軍は裏では女性の身も心もボロボロにしていたのは許されえない。二度と起きないよう皆(とくに若者)に伝えていくべき。
⑤ 間違っている
・ 「慰安婦」があることが間違っている。
⑥ 裁判で敗れる結果が悲しい
・ 被害を受けた女性たちが日本政府を訴えた裁判で敗れる結果になったことが悲しくもあり虚しい。
⑦ 過ちは消えない
・ 過去の過ちは今も消えない。
⑧ 謝罪し続ける
・ 証言をあげてくれた女の人たちは、その後自分たちがどう見られるかという恐ろしさを抱えながら打ち明けてくれたんだろう。同じ女として、しかも同じ年位の人たちがされていたということを見ると、日本軍のやってきたことはあまりにひどい。日本は、反省して許されなくても謝罪し続けるべきである。
日本軍「慰安婦」の存在すら知らない生徒が多い。知らなかったと恥じ、知って良かったと感謝する生徒も多い。「慰安婦」制度自体や、裁判結果、消えない過ちや謝罪についての意見を持つ生徒も少なくない。
授業後、2009年5月に韓国の「ナヌムの家」を訪問して「日本軍『慰安婦』被害ハルモニ孝行フェスティバル」に参加して交流してきた時の写真などを見せる。
戦争の被害の歴史だけでなく、日本軍「慰安婦」をはじめとする戦争の加害の歴史を知ることが本当の戦争の恐ろしさと醜さを知ることになる。国境を越えた戦争被害者に共感する力が、真の国際平和につながる。
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